2013.07.01
柏の弁護士の山田智明です。
先日,DV事件の研修に参加する機会があったので,今回は,DV事件のことについて解説します。
おりしも,先月26日にDV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)が改正され(2014年1月施行),同法の適用対象が「生活の本拠を共にする交際相手からの暴力」に拡大されました。対象範囲の拡大は,各地で相次ぐDV事件が契機となったようです。あわせて,ストーカー防止法も改正され,執拗なメールもつきまとい行為に追加されるなどの改正がありました。
警察も,これまでの悲惨な事件を教訓として,被害者の被害届がなくても危険性が高いと思われる事案の場合は,立件することを躊躇しない姿勢に変わってきているとの話しがありました。
弁護士が離婚事件を受任した場合にDV事案と思われる場合には,離婚調停の申立て前に保護命令の申し立てをすることが望ましいという話しがありました(なお,弁護士が代理人となった申立ては,多くても2割程度に留まっているとのことです。)。保護命令は,申し立てを受けて,裁判所が対象者への接近禁止等を発令するもので,これに対する違反に対しは,刑事罰をかすことが可能となっています。
また,離婚調停の申立ての際,家事事件手続法により,申立書が原則として相手方に送付されることになったことから,その点に配慮して申立書を作成する必要があるとのことでした。
さらに,警察や関係行政機関との連携が必要であるとの話しが具体的な例を示して説明がありました。
離婚相談の際,DV事案と思われる相談も少なくないので,今後も,DV事件についても,研鑽を深めて参りたいと思います。
投稿者:柏第一法律事務所