2013.08.04
産経新聞の8月3日付けの記事(http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130803/trl13080302070000-n1.htm)によると,「簡易裁判所の民事調停について、最高裁が改善策をまとめた研究報告書を年内にも公表することが分かった。報告書は「裁判所側が合理的根拠に基づく解決案を積極的に策定することが有効」という内容が柱となる見通し。調停では双方が譲り合って解決を図ることが重視されてきたが、近年は事案の複雑化などで調整が難航するケースが増加しているためで、調停担当の裁判官に配布する。裁判所側の”交通整理”によって、大正時代から続く調停の在り方が大きく変わることになりそうだ。」とのことのようです。
現行法でも,民事調停法17条により,「調停に代わる決定」という制度がありますが,実際には,あまり使われることはありませんでした。
市民に身近な制度である民事調停の活性化を図る意味で,良い方向での改革になることが望まれるところです。
これとは別に,日弁連では,民事裁判手続に関する委員会では,民事審判制度の創設を検討しているようです。これは,労働審判制度の成功を受けて,通常の民事事件についても,労働審判と同様の審理手続きを設けるというものです。
もっとも,民事審判制度の創設については,労働審判が成功しているからといって,通常の民事事件で同じように成功するかどうかは疑問であるといった意見もあるようです。
いずれにしても,現在の民事司法制度が,身近な紛争の解決に適していない部分が数多くあることは,共通の認識となっていると思います。
投稿者:柏第一法律事務所