2014.12.18
柏の弁護士の山田智明です。
最近,「原発と裁判官 なぜ司法は「メルトダウン」を許したか」という本を読みました。
過去の原発訴訟の審理を担当した裁判官に取材した内容をめとめたもので,福島原発事故の司法の責任について考える上でとても参考になる本でした。
当時どのようなことを考えて判決を書いたかという点について,率直にインタビューに答えている部分もありました。また,今後の司法審査のあり方についての意見も記載されていました。
今後は,これまでよりもかなり厳格に原子力を動かすことについての安全性を立証しなければ原発の稼動を認めることはできないということになると思いますが,どの程度の立証で足りるかは,全国各地で現在係属中の訴訟の結果にかかっています。
大飯原発の差止めが1審で認容された訴訟が,現在,控訴審(名古屋高裁金沢支部)で係属中ですが,今後どのような判断が出るか注目です。
投稿者:柏第一法律事務所