2015.01.15
現在,民事訴訟の期日は,書面の交換と次回期日を決めるだけになっていることが多く,口頭主義といっても形骸化している面もあります。2・3分程度で終わる期日のために,遠方から出張しなけれならないという場面も珍しくありません。ほとんど出頭の意味のない場合に大きな負担となるのは改善の余地があるのではないかと思います。
現行法では弁論準備期日については電話会議を利用することは可能ですが,口頭弁論期日についても,電話会議やテレビ電話などを活用できるとする法改正をするのを検討してもよいのではないかと思います。もっとも,口頭弁論期日については,裁判公開の原則との関係があるため公開の法廷にそのような設備を設置することが必要になり,そのためには相当な予算も必要になるので簡単に実現できるものではないのかもしれません。
また,民事訴訟規則で,準備書面などの一部の書面はFAXで送信することにより提出できるものとされています。しかし,現在では,FAXよりも電子メールによって連絡をすることが飛躍的に多くなっている状況ですし,電子メールの方が鮮明に送付できるというメリットもあることから,今後は,書面の送付方式として,電子メールを利用できるよう検討しても良い段階になっているのではないかと思います。
家事事件手続法の制定に伴い調停事件で電話会議が使えるようになりましたが,今後も,時代の変化に合わせて利用者にとって使い勝手の良いものにしていく必要があるのではないかと思います。
柏第一法律事務所
弁護士 山田智明
投稿者:柏第一法律事務所